Original Prusa のフレキシブルシートについて
Original Prusa i3を購入するときに、スムース、パウダー、両方のシートを選択できます。
一応両方のシートを入手しているので、個人的な使用感などをまとめておきます。
Flexible steel sheets
https://help.prusa3d.com/article/WPL74Wx4aU-steel-sheets#_ga=2.213252884.1292765465.1568387296-1551516036.1568387296
How to print on a powder-coated sheet
https://help.prusa3d.com/article/WPL74Wx4aU-steel-sheets#_ga=2.241703810.1292765465.1568387296-1551516036.1568387296
スムースPEIシート
PEI(ポリエーテルイミド)はスーパーエンプラの一種で、耐熱性(170℃?)に優れている琥珀色のプラスチックらしいです。これがステンレス張力鋼に特殊加工で貼り付けられているシートです。
フィラメントと相性が良いのか、とてもよくくっつきます。市販のプラットフォームシートのように何度も使うと付かなくなるような感じはなく、メンテナンスすればずっと使えそうです。
ただ欠点もあって、PETGやTPU(実際には試してない)などの素材だと、相性が良すぎて剥がれなくなります。PETGで試したときは一部の箇所が破断してシートのへばりついてました。
もしこのシートでPETGを印刷する場合は、スティックのりを塗っといたほうが良いです。気休めかもしれないですが、結合が弱くなります。
表面がフラットなので、印刷面のフラットでとてもきれいな出力になります。
メンテナンスはIPA(イソプロピルアルコール)をキッチンペーパーなどで拭き取ります。アセトンも使えなくはないですが、極力使わないようにとあります。
パウダーシート
どうやって製造しているは不明ですが、パウダー加工で表面が凸凹してます。PETGなどのスムースPEIシートでやると剥がせなくなるようなフィラメントに有効です。やっぱりPEIシートよりかは密着力は弱そうですが、PEIシートよりも綺麗にはがせるので、寿命は長そうです。
なんとなく冷却すると表面の凸凹が収縮して、勝手に剥がれるようなイメージがありますなので、印刷中にベッド温度を変える(大抵OFFなど)するときは注意したほうが良いかもしれない。
メンテナンスはIPAを使います。アセトンは厳禁らしいです。たぶんパウダーコートがダメージ受けるのだと思います。
各シートで印刷したときの裏面
- Prusament PLA シルバー、Smooth PEIシート
印刷層が透けて見えてますが、フィラメントの性質なのかな?実際にはツルツルです
REPRAP PETG ホワイト、 Powder coated シート
ザラザラ面になる。嫌いじゃない感じ。Original Prusaのオレンジ色のプラスチックパーツの質感がこれです。
使い分けするとの注意点
コーティングの厚さが違うので、シートを切り替えて利用するときは必ず、First layer calでキャリブレーションをやり直す必要があります。
機体による差はありますが、自分の機体だと以下ぐらいがベストでした。設定値は個体によるので、差の値を見てほしいです。パウダーシートのほうが薄いのでよりノズルを下げる必要があります。
シート | Live adjust Z |
---|---|
Smooth PEI Sheet | -1.00 |
Powder Coat Sheet | -1.30 |
注意したいのは、パウダーシートを使った後にPEIシートに切り替えたときにキャリブレーションを忘れると、かなりシートに接近します。
このままノズルを走らせて、押し付けすぎて印刷物が剥がれないケースが考えられます(自分はやりました)ABSでやったのですが、ものすごく密着してゴリゴリやっても剥がれないので困りました。
結局高さを調節したあと、覆うように四角いシートを上から印刷して、100℃の状態でパレットナイフで少しずつ剥がしてなんとか綺麗になりました。
ABSでもPEIシートとの相性は良いです。ABSは反りやすいのでどれだけ反らずに耐えれるのか試してみたいと思います。
1枚だけ買う場合、どちらを選ぶのか?
剥がれて印刷失敗して困るのがFDMの悩みでもあるので、良くくっつくPEIシートを選びます。
上記にも書きましたが、PETGを印刷する場合は「密着力を弱くする方法」を考えておいたほうが良いです。「無理やり剥がしたら、PEIごとステンレスシートから剥がれた」という事例もおそらく旧バージョンのシートだと思いますがあります。
追加でシートを買う場合
最初知らなくて探し回りましたが、Prusa Researchのネットショップからリペアパーツを購入する場合、本体を購入していることが証明された場合のみ、リペアパーツのメニューが表示されるので、シートを購入することができます。PEIシートなどは売り切れが良く表示されるので急ぎの時は注意です。
わりとPEIシートはAmazonでも半額ぐらいで類似品が購入できます。(品質は不明)ただパウダーシートは類似品がないです。Build Takなどのプラットフォームシートを代わりに使うのかなと思います。