FormFutura社の『TitanX™』(1.75mm)サンプルを購入してみました。
3dfs 工業グレードABSフィラメント『TitanX:白』10M
高度な熱安定性とレイヤー間の接着性能を要しており、ヒートベッドへの定着性が向上。
従来のABS素材よりもFDM/FFF方式の3Dプリントに最適化されたハイグレードなエンジニアリングフィラメントです。
エンジニアリングフィラメントって何?状態でしたが、ABSでどうにかしてほしい弱点を克服したような文言に惹かれました。レイヤー間の接着性能、定着性が向上がどの程度か早速印刷しいてみることに。
印刷モデルについて
以下のような向きでサポート材で支えながら印刷してみます。ベッドへの密着具合、サポート材の除去しやすさなどを見てきます。
印刷結果
- ノズル径:0.4mm
- 射出量:0.98
- リトラクション:15mm
- ノズル温度:245度
- ベッド温度:80度
- 積層ピッチ:0.1mm
- 印刷スピード:2000mm/min
- インフィル率:90%
- サポート:45deg, 0.05mmオフセット
まず、印刷結果を見て思ったのは、
良さそうな点
- 確かに反りづらい
- 積層痕が目立たない
- 確かに積層間の結合が強そう
- サポートがキレイにはがれやすい
- 研磨しやすい。研磨くずは細かいサラサラの粉
欠点
- ABSの弾力・柔軟さはない。結構カチカチ
- 細かい突起など微細なディテールは苦手(ポロっととれる箇所が多い)
その他
- なんとなく石膏、バルサ板のような粉っぽい質感
一番精度が欲しかった内部は上向きにしてサポートなしで印刷。結構キレイに印刷されています。
サポートで印刷した面は、リューターで研磨した結果が以下の写真になる。
層間の結合が強いので、ゴリゴリ削っても層間で割れたり剥がれたりしない。
今まで見たことない質感で、粉っぽいのでテカテカ反射しないマットな仕上がりになる。なんでこんなにほかのABSと違うんだ?と思ってました。たまたま補修しようとして、アセトンでTitan Xの残りのフィラメントを少し溶かして塗り付けようとしたところあることが判明。
このフィラメントは、なにか繊維?粉末?を結構大量に混ぜてます。アセトンで溶かすと粉っぽい材料がでてきます。この謎の繊維が結合力と反りを低減させていると思います。ABSというより、ABS系複合材料フィラメントといった感じですね。
あと設定がよかったのか、サポートが割とキレイに剥がれてくれます。それと研磨しやすいです。純粋なABSよりもザクザク研磨される気がします。
そもそも凝りずにABSをまたトライしているのは、サポートが必要な複雑な形状の印刷が必要なのと、サポートとの接合面の研磨のしやすさですね。サポートが必要ない形状であれば、PLAのほうが楽です。
なかなかおすすめです。