「よく見る定番回路がどういう仕組みで動作しているのか、この回路のこの部分、どんな電圧・電流なのか」などを作る前に確認することができる定番回路シミュレーター”LTSpice”。特にMac版は独特な操作方法でやや取っつきにくい。調べてもすぐに忘れてしまうことを中心に備忘録としてまとめる。
初期設定
- マイクロ(μ)を
u
で表現する。
Windows版のみ。Mac版はデフォルトでu
をμ
として認識される。 - カラー設定
好みの色設定を行う。
部品の配置
F2
でコンポーネント選択ダイアログを表示して、部品を選択する。- 配置したい箇所でクリックすると確定する。
- 配置待ち状態で、
Cmd+R
で回転、Cmd+E
で反転 Move
は、配線から切り離して部品を移動する。Drag
(F8)は、配線に繋がったまま部品を移動する。
部品(代表的なもの) | |
---|---|
gnd | GND |
res | 抵抗 |
cap | キャパシタ(コンデンサ) |
ind | インダクタ(コイル) |
npn | NPN型トランジスタ |
pnp | PNP型トランジスタ |
LED | LED |
diode | ダイオード |
schottky | ショットキーバリアダイオード |
zener | ツェナーダイオード |
nmos | N-Channel電界効果トランジスタ |
pmos | P-Channel電界効果トランジスタ |
voltage | 電源 |
vattery | バッテリー |
cell | セル |
電源
-
コンポーネント選択
(F2)でvoltage
を選択する。 -
配置した
電源コンポーネント
を右クリックすると、専用パネルが表示されて、直流、SIN波、パルス波などのいろんなタイプの電圧波形を作成できる。 -
直流の主要パラメータ
- DC Value[V]
直流電圧値
- DC Value[V]
- SIN波の主要パラメータ
- DC offset[V]
正弦波に直流成分
が追加されている場合、ここにDC成分の電圧を設定する。 - Amplitude[V]
正弦波の出力電圧
(正負の電圧の絶対値)を設定する。ここで指定した値が交流のピーク値になり、実行値ではない。電力会社から供給される交流100Vは実行値であり、ピーク値は√2倍した141Vになる。 - Freq[Hz]
正弦波の周波数を設定する。 - Phi[deg]
正弦波の開始位相。デフォルトは0。
- DC offset[V]
LTspiceの解析設定
SPICE Directive
(ショートカットS
)を回路図中に配置することで設定される。ドットコマンド
と呼ばれる。先頭に.
(ドット)から始まるコマンドと引数で定義する。- たくさんありすぎて覚えきれないが、一般的に
.tran
、.op
、.dc
、.ac
あたりが良く使われる。
.tran (非線形過渡現象解析シュミレーション)
- .tran [print] [stop] [start] [step]
ex.) 開始1sec、終了3sec、刻み10msec => .tran 0 3 1 10m