前回はRaspberry Pi2のセットアップに関する手順などをメモした。今回は開発端末からPower Shell
を使って接続してユーザ追加などの基本操作を行ってみる。
リモート処理の準備とリモートホストの登録
まずIoTツールのWindowsIoTCoreWatcher.exe
を起動する。これを起動すると、ネットワーク内に接続されたWindows IoT Coreが稼働している端末のリストが表示されるので、対象のRaspberry Pi2のIPアドレス
を覚えておく。
PowerShellでリモート処理を行うための準備を行う。まず開発端末でWindows Remote Management
サービスを起動する。
> net start WinRM
Windows Remote Management (WS-Management) サービスを開始します.
Windows Remote Management (WS-Management) サービスは正常に開始されました。
このまま接続しようとすると、セキュリティがらみのエラーが発生する。RaspberryPi2を信頼されたホストとして登録する必要がある。
> Set-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts -Value minwinpc
WinRM セキュリティの構成。
このコマンドは WinRM クライアントの TrustedHosts の一覧を変更します。TrustedHosts
の一覧内にあるコンピューターは認証されない可能性があります。クライアントはこれらの
コンピューターに資格情報を送信する可能性があります。この一覧を変更しますか?
[Y] はい(Y) [N] いいえ(N) [S] 中断(S) [?] ヘルプ (既定値は "Y"): (そのままEnter)
ちなみにWSMan
はWebサービス・マネジメントのことで、URLパスのように設定対象を記述して、目的の設定を行うプロトコルである。WinRM
サービスが稼働していると、ネットワーク上で WS-Management要求待ちして処理する。WMI
と似た役割だが、WMIがWindows固有機能
であるのに対し、WSManはISO
で規格化された共通インタフェースである。
Raspberry Pi2にログインする
PowerShellのEnter-PsSession
コマンドを使って、AdministratorでRaspberry Pi2にログインする。 認証パネルが表示されたら、パスワードにp@ssw0rd
を入力する(初期パスワード)。実際にログインするまでに15secほどかかるのでしばらく待つと、コンソールがminwinpc
に変わってログインが完了する。
> enter-pssession -cn minwinpc -credential minwinpc\administrator
[minwinpc]: PS C:\Users\Administrator\Documents>
パスワードの変更
初期パスワードから変更するためには、PowerShellでログインした状態で以下を実行する
> net user [user name] [new passowrd]
デバイス名の変更
初期ホスト名はminwinpc
だが、以下のコマンドで別名に変更することも可能。特に複数台ある場合は、変更しておいたほうがよい。(変更後は再起動が必要)
> setcomputername [new name]
例) デバイス名をraspi2
に変更し、shutdown
コマンドで再起動する。
> setcomputername raspi2
Set Computer Name
> shutdown /r /t 0
System will shutdown in 0 seconds...
ちなみに完全にシャットダウンする場合は、
> shutdown /s /t 0
IoT Core Watcherで、新しいホスト名で再起動したことを確認する。
ログインするためにもう一度、信頼するホスト
として再登録してログインできることを確認する
> Set-Item WSMan:\localhost\Client\TrustedHosts -Value raspi2
> enter-pssession -cn raspi2 -credential raspi2\administrator
新しいユーザを追加する
> net user [user name] [password] /add
特定のグループにユーザを追加する
> net localgroup [group name] [user name] /add
例)ユーザdev
を管理者グループに追加し、追加したユーザでログイン
> net user dev [passowrd] /add
The command completed successfully.
> net localgroup administrators dev /add
The command completed successfully.
> exit
> enter-pssession -cn raspi2 -credential raspi2\dev
>
ブートオプション(
setbootoption
)で起動モード変更する
- headed
ディスプレイにUWPのUIをスタックさせてGUIアプリケーションを機能させるモードで、デフォルト
の設定である。初回起動時にHDMIケーブルでディスプレイに接続しないと起動しない
のはこのためである。
- headless
UIを必要とせずに起動させる場合はこちらを選択する。サーバー的な感じで使用する場合に適している。このモードだとHDMIケーブルでディスプレイに接続する必要がなくなる。
> setbootoption [headed / headless] > shutdown /r /t 0
ブートマネージャ(
bcdedit
)
ブート項目の追加・削除やブート順の設定など。現状使いどころがわからないので、省略
プロセス一覧(タスクマネージャのCUI版)
get-process
コマンドで一覧表示される
> get-process
Handles NPM(K) PM(K) WS(K) VM(M) CPU(s) Id ProcessName
------- ------ ----- ----- ----- ------ -- -----------
232 8 2528 11192 42 0.72 1948 backgroundTaskHost
151 5 420 1492 12 0.23 360 csrss
375 7 19280 27392 65 1.02 568 dwm
52 706 424 1344 9 0.08 1316 ebootpinger
<省略>
プロセス終了
> kill [process id]
ほかにもいろいろあるし、基本的にはPowerShellやMS-DOSで使っていた基本的なコマンドが使えそう。個人的には、lsが使えるのがうれしい。
次回は、標準機能として各種webサービスがインストールされているようなので確認してみる。
電子工作版Hello WorldであるLチカ
は、そのまた次回を予定。