最近ちょっとした驚きがありました。2020/10/1からFusion360個人利用に制限が追加されます。
https://www.autodesk.co.jp/campaigns/fusion-360-personal-use-changes
「やっぱりかー」というのが印象で、仕方がないところはあります。
個人的に一番痛いところが、STEP形式のエクスポートで、今までKicadの3DモデルはFusion360で作成してSTEP形式でエクスポートしてKicadで読み込みさせていました。これができなくなります。
※個人利用でもSTEPエクスポートが許可されました。
https://www.fabbaloo.com/blog/2020/10/1/fusion-360-licensing-change-reactions-and-autodesk-retreat
2020年10月現在、確かにまだログインしてFusion360使っていてもSTEPやDXFのエクスポートは可能です。
なので、以下はSTEP使わないワークフローとして残しておきます。(Kicadで使うならSTEPがいいかと)
KicadもKicadで、サポートしている3D形式が主にVRML(*.wrl)
、STEP(*.stp)
というちょっと時代遅れなところもあります。
Fusion360個人利用の新しい機能制限
STEP使えないのは仕方ないとして
別のなるべくスムーズなワークフローを検討します。個人的な要件としては、CAD形式にこだわりはないですが、
- Fusion360上で簡易的に色付けしたものはそのまま表示できる
- フリーアプリのみ使用する
- 面倒くさくない
がマスト要件です。いろいろ試行した結果、Fusion360からFBX
形式のエクスポートからスタートするのが良さそうでした。
データをFBXでエクスポートする
試すモデルは8pinのDIPタイプのICです。モジュール部とピンが色分けされています。
このデータをWebブラウザで開きます。(そのうちオールクラウド化しそうですね)
ブラウザで該当データの一覧を開きます。した矢印をプルダウンさせると、目的のFBX形式が選択できます。
サーバー側で変換されて完了するとメール通知されます。ローカルアプリではできないみたいです。1-2分ほどすると通知来ますが、このあたりがちょっとイヤですね。。
メール本文からDLできます。
Kicadにフットプリントの3Dデータとしてインポートする
ここから本題ですが、このFBXファイルをBlenderでインポートします。Blenderはフリーの3Dグラフィックスアプリではデファクトスタンダードになってます。今回の操作では、特に使い方覚える必要は殆ど無いです。
起動すると、デフォルトで立方体が1個ありますが、邪魔なのでビュー上で選択してDeleteボタンで削除します。
「import」-「FBX」を選択する。
表示されるパネルで、スケールを393倍
を入力する。そのままインポートするとものすごく小さいオブジェクトになるので拡大する(恐らく、インチとミリの変換がからんでます)
色を引き継いだ状態で、インポートされます。向き、位置はKicad側で調整するので、このままにします。
今度は、x3d
形式でエクスポートします。VRML(.wrl)と互換性があるっぽいです。スケールは1倍のままでOK。
Kicadで3Dデータの読み込み
つづいて、Kicad側の操作になります。ここからはいつもどおりです。まずはフットプリントを用意します。今回は8pinのDIPタイプのフットプリントです。
Blender側では位置合わせしてないので、ここでやります。
以上
作成した基板の3DモデルをKicadから出力
今度は逆のパターンで、Kicadから作成した基板+部品の3Dアセンブリモデルを出力する。PCBエディタからエクスポートするだけですが、部品が.wrl
形式の場合、STEPで出力しようとしてもエラーになります。(恐らく、元データをコピーして配置しているだけと思われる)なので、.wrl
形式で今後作業する場合、エクスポートはVRML形式になります。
ただ、この場合(Kicad=> VRML)色情報はなくなってしまいます。下図は別の回路データでPCBからVRML形式でエクスポートした結果をBlenderで表示したものになる。
Fusion360でインポートしたければ、ここからobj形式にエクスポートすれば、面データとして取り込むことはできます。色が全部落ちるのはちょっと微妙なところです。配置情報だけダンプできれば、元データで自動組付けも良かったのですが。。