レーザー彫刻機:レーザーの有効ピッチを調べる

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上記の投稿にあるように、レーザー彫刻機といろいろなアプリを活用することによって、それなりに微細なプリント基板を自作する活路が見いだせました。

目標は0.5mmピッチFQPN64などのフットプリントが作成できればOKで、これは過去の投稿でどうにかいけたことはわかっています。

今回は、もう少し踏み込んで、「じゃあこのレーザーだと、現実的な最挟ピッチはいくつぐらい?」というのを検証しておきます。

一般的には、レーザービームプロファイラのような装置を使ったり、使用する集光レンズから計算で求めたりするようですが、もっと原始的にいろんなピッチで線を引いて、エッチングしたときに以下に着目して現実的なものを押さえておこうという趣旨です。

  • エッチングしたときにヨレヨレになってないか?(うまくできたり、できなかったりなどの確実性に乏しくないか?)
  • ところどころつながったりしてないか?(ケガキ針での補修の手間がないもの)

Flatcamでオフセットパターンを作成するときにどのくらいのピッチなら残らずキレイに塗膜をはぎ取れるかの指標にもなるかと。

レーザ彫刻のパターン

Fusion360でスケッチを作成してDXFで出力します。縦横2mmの正方形をベースとして、0.1mmオフセットさせた線を作成します。その後は0.02mmごとに間隔を増やしていきます。

laser_pitch_test01

最も広いピッチが0.4mmです。

laser_pitch_test02

レーザーのパラメータ

速度は5mm/sでパスの回数は1~3の3種類テストしました。使ったレーザーは、表記上3.5Wの小型レーザーです。(3.5Wのレーザーが出力されていることは多分ないです。せいぜい1.5Wぐらいかと)

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プリントパターン作成

レーザーを照射して、クレンザーと歯ブラシでゴシゴシした結果です。パスの回数が多いとクッキリします。1回照射だと明らかに塗膜がパターン上に残っていて、このままエッチングしても絶縁不良になるだけです。

IMG_0019-1

テストパターンの一部を掲載。機械的な誤差もありますが、0.10~0.12mmあたりでレーザー痕がちょうど重なります。大体レーザーの有効スポット径はそのあたりじゃないかと思います。

四角の枠のように塗膜が残っています。これがエッチングすると導線になります。断線していたり、ちゃんとエッチングされてないと、短絡したりするわけですが、このあたりの挟ピッチは無理そうです。

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独断と偏見で、0.3mmピッチでレーザー照射したときに生成される導線幅がしっかりしていて安定していそうです。これ以下の挟ピッチで生成した導線幅は気持ちヨレ始めている感じかと思います。

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写真がボケていて微妙ですが、ピッチが広くなっていくとより安定します。

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レーザースポット径を0.12mmと過程したときに、0.3mmピッチで照射したときの導線幅が以下です。これをみると、導線幅が0.18mmになり、これが自作する上でもっとも細い導線になります。

エッチング後の基板が以下になります。

※傷が入っているところは、針でケガいたところなので、製造上できたものでないです。

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テスターで試したところ、ピッチ0.3mm以上であれば、問題なさそうでした。はやりパスは3回程度したほうが良いです。1回だと下図のようにエッチング不良となります。

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考察

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ちなみに0.4mmピッチで照射したときの導線幅が以下で、この場合は、導線幅が0.28mmになります。

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TQFP64のフットプリント(0.5mmピッチ)が、おおよそ0.3mm幅なので、十分いけることが分かります。

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自作の場合、なるべく導線幅は太いほうが製造時の精度、電気的安定にも良いので、KiCADの導線幅の設定は、最小0.3mm、デフォルト0.4mmぐらいに設定しておけば良さそうです。