3D光造形(SLA):PhrozenのABSライクレジンをテストプリント

久々に光造形SLA方式のプリンタ用に新しいABSライクレジンを入手したのでテストプリントしてみました。

ABSライクなレジン

使っている機体は、Anycubic製のPhoton-Sなので、純正レジンを使っていましたが、通常レジンはどちらかというと硬くて脆いといった感じで、自分が造形したいものにはちょっと向いてないなと思ってました。あと、Anycubicのレジンは黒でも透けているのものちょっと評価下がります。。

いろいろネットを巡回していたら、最近ではレジンもエンジニアリング系というか、FDM方式でよく使われるABSやフレキシブルなどのレジンが登場してきています。

もう少し弾力がほしかったので、以下のABSライクなレジンを購入して試してみました。これが意外と良かったです。

500mlの標準的なボトル

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今回はグレーを購入。ホワイトもあります。クリーミーな感じですが、Anycubicよりも粘度は低めでサラサラしてます。

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印刷モデルは、未完成のギアボックスの半分。自分が印刷したいものは主にメカものなので、こんな感じが印刷できればOKとしてます。

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サイズは、130モーター1個が後ろに入るぐらいの小さいものです。

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Photon-SでABSライク樹脂を使って造形

設定パラメータに関しては、Photon Workshop 1.0.0でいうと

  • Layer Thickness:0.05mm
  • Normal Expose Time:8sec
  • Off Time : 3sec
  • Bottom Expose Time : 100sec
  • Bottom Layer : 6
  • Z Lift Distance : 6.0mm
  • Z Lift Speed : 8.0 mm/s
  • Z Retract Speed : 8.0 mm/s

まずは、Anycubicのレジンと同じにしましたが、今回はZ-suitというほかのスライサでデータを出力。最近のバージョンだと、他社製のフォーマットに出力できてPhotonも選択できます。

ただ、旧モデルのPhoton向け(.photon)のようで、Photon-S向けの(.photons)ではないのを後で気が付いて、以下のプログラムでphotonからphotonsに変換しています。

https://github.com/c-doi/PhotonsFileConverter

とりあえず印刷してみたかっただけなので、サポートは失敗しない程度に多めに出力しています。
実際にはもっと減らして印刷できるように調整はする予定。

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なんというか、あっさり綺麗に印刷されました。ちょっと拍子抜けなくらい。

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写真はUPしてないですが、このレジン結構粘度が小さくてサラサラしてます。イソプロピルアルコールで洗浄が結構楽で1回洗浄するだけでほぼOKなのと、あと印刷中も臭いがほとんどないこの2点結構評価高いです。

このパラメータだと、洗浄後の状態でもけっこう固めですが、表面は少しベタっとしている。(ほかのレジンと同じくらい)

ひょっとすると、もう少し露光時間短くしてもいいかもしれないです。

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サポート側の表面。適当に傾けて自動サポートだけだったので2次加工大変です。

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ギアが収まる重要な裏側。こちらはサポートが一つもないので綺麗です。

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ABSライク樹脂で印刷したモデルの2次加工

手触り感はABSそのものですが、ABSフィラメントで印刷したものとはちょっと違いますね。なんというか粉を固めた感じでカッターナイフで削った感触もジャリっとしてます。FDMで印刷したABSはプラモデルそのもですが、このあたりは微妙に感触がちがう。

リューターや紙やすりで加工してみたところ、ABSっぽいというかレジンも2次加工やり易いので同じくらい研磨できます。

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とりあえず研磨終了。テストなので感触だけ試したかったので仕上がりは気にしない。

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寸法精度

印刷物をノギスで測定して、CAD寸法と比較してみます。

ちなみにノギスは以下のカーボン製の小型デジタルノギスを使ってます。以前は大型の金属製をつかってましたが、重いのと硬くて対象物を傷つけそうだったので、シンワ製のものにチェンジしました。精度云々で辛口評価されていますが、個人的には軽くて取り回しが良いので、愛用してます。

まずは内径その1

  • CAD寸法:15.1mm
  • 実寸:15.0mm

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内径その2

  • CAD寸法:16.0mm
  • 実寸:15.9mm

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内径その3

  • CAD寸法:10.0mm
  • 実寸:10.0mm

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外形その1

  • CAD寸法:20.0mm
  • 実寸:19.9mm

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外形その2

  • CAD寸法:28.5mm
  • 実寸:28.4mm

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全体的にほんの少しだけ小さめに出力されています。ただ表示どおり0.1mmも差があるのかというともう少し誤差は小さい気がします。なので、今の露光時間で良さそうです。ひょっとするともう少し短く6secぐらいでもいいかもしれない。(印刷時間も減るし)

総評

悪くないです。脆さがなくて、微かに弾力がある樹脂、求めていた感じに近いです。Anycubicよりも値段は高いですが、普通のレジンには戻れないです。これは買ってよかったです。

ほかにもエンジニアリング系のレジンがいくつか出ているので、それも試してみる予定。

フィラメントもそうですが、しっくりくるまでの投資額がイタイ。。