KiCADでカスタムパッド、配線を作成する

モータードライバの自作に向けての準備中です。先日、秋月から購入したSOPタイプのNch-MOSFETが一般的なICのピン配列と異なっていました。

入手したICがこれ

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ピン配列は、ソースとドレインが複数のピンを占有しています。ゲート以外は大電流が流れるので、こうやって流れやすくしています。

いつもはドーナツ型や四角のランドを使えばいいですが、ちょっと特殊な事情でそうもいかないときどうするのか調べたところ、カスタムパッドが作成できたので備忘録としてメモっておきます。

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以下はKiCAD5.1.5を使っています。5.1以降であれば同じことができると思います。

Fusion360で設計

まず、データシートをもとにモデリングしていきます。

3D形状をソリッドで作成してSTPファイルにします。ランドパターンはスケッチで作成してDXFファイルにします。(詳細の手順は省略)

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KiCADでフットプリント作成

STPファイルは3Dモデルとして参照設定して、DXFファイルはインポートします。

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カスタムパッドは、正規のパッドにシェイプを追加するような方法で作成します。なので、それぞれ正規のパッドが必要になります。配線するときは、正規のパッドの中心位置がターゲットになるので、配線しやすい位置にパッドを配置します。

以下の図だと、赤い四角が正規のパッド、グレー色の線がDXFファイルからロードした外形です。

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パッドとシェイプを両方選択した状態で、試しに「選択された形状からパッドを作成」を実行すると、シェイプがパッドの一部に変換されます。手順的には一番最後にまとめて1度実行すればいいです。

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外形を塗りつぶすように、N個の多角形ポリゴンで埋めていきます。

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1個の多角形でもできなくはないですが、N個のほうが楽に作成できる気がします。

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全部埋まった状態

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このタイミングで「選択された形状からパッドを作成」を実行してカスタムパッドが出来上がります。

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ちなみにパッドのプロパティを見ると、さきほど選択したN個のポリゴンシェイプが登録されていることがわかります。解除したときはここから除去します。

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このパッドの形状がベストかはともかく、フットプリントの完成しました。

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次に実際にPCB設計でこのフットプリントを配置してみます。信号線などは普通の配線で良いですが、電源ラインなどは、「カスタムな配線」がしたいです。

そういった場合、どうしたらいいのか?と思いましたが、ベタGND作成するときと同じように「ゾーン」で作成すればイケそうです。

ちなみにこの回路は検証用なので、適当です。よく見ると、ゲートでONするとショートする恐ろしい回路になってます。(笑)

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丸いパッドの場合、サーマルパッドを自動で作成してくれますが、カスタム形状の場合は、ベタ部分とパッドが自動では繋がってくれないです。後でも先でもいいですが、普通に配線して大まかな流れを決めておきます。

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そして、ゾーンを作成します。優先度を1にします。ベタGNDよりも優先度が高くなる?と思います。あとは電源ラインを選択して、多角形の領域を作成します。

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GNDと電源部分のゾーンをベタ塗した結果が以下になります。

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電源ラインには、何本か配線を追加して完成?です。(横から出ているピンが触れそうで危険。。後で修正する予定)

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