前回に引き続いて、重要なキャリブレーションについての備忘録です。
Original Prusa i3のキャリブレーション
ファームウェアのバージョンに内容は異なるかもしれないですが、基本的にCalibrationメニューから各種キャリブレーションコマンドを選ぶだけで自動でやってくれます。
一番上のWizardは、最初に電源ONしたときに開始される全体の電気系統のセルフチェックとキャリブレーションを順番にやってくれるものです。本体を大幅な解体&組み立てをやらない限りは、最初の1回だけで良いと思います。
たぶん頻繁にやるであろうベッドやノズル先端のZ方向高さの微調整がこれです。
ノズルの高さは上記のキャリブレーション中に「Live adjust Z」が表示されてツマミをクルクル回して印刷中に高さを微調整できますが、この「Live adjust Z」は、Settingメニュー内に個別で調整できます。
Live adjust Zを選択すると、
上記キャリブレーションで調整した内容がここでも設定できます。
このあたりはジョセフの解説動画が参考になります(MK3版だけどMK3Sも一緒)
https://www.youtube.com/watch?v=GE-lrRbU124
Live adjust Zの重要性
最初のセットアップ後、SDカードにあった30mins程度のプレートをテスト印刷したときに全く綺麗に印刷できずにちょっと焦りました。(本体の組み立てに失敗したのかと。。)
この「Live adjust Z」でベッドにフィラメントを十分に押し付けてなかったのが原因でした。
ハンドブックのp25あたりにもあります。
https://www.prusa3d.com/new-user-mk3/
溶けたフィラメントを押し付けるようにして積層しますが、最初のレイヤでこの押し付けが弱いとベッドに貼り付かないです。これはPrusaだけでなくFDMタイプのプリンタすべてに言えますが、Prusaの場合はこれをリアルタイムに微調整できるわけです。
ただ絵だけでは、実際にどれくらい押し付けたらいいかよくわからないのですが、そのうち慣れてきます。
ファーストレイヤのテスト印刷
自分の場合は、ベッドの隅々まで1層目がちゃんと印刷できるか気になったので、下図のような1層しかない四角いシートを作成して印刷しながら「Live adjust Z」を微調整してみることにしました。
拡大するとこんな感じ。1層しかない。
ちなみ使用したフィラメントはPrusament PLA、0.2mmレイヤのQuality設定で印刷。
印刷開始すると、所々バリのようなものが。。これはノズルがベッドに対して近すぎるために発生していました。
ノズルの高さを少しベッドから離してみます。
先ほどのバリのようなものは発生しなくなりました。
調節後はムラもなく印刷が続いていきます。
つづいてもう少しノズルを離してみます。
艶が出て、フィラメントの印刷層がよりくっきり残るようになります。このままどんどん離すと、やがて線状になってベッドに貼り付かなくなっていきます。設定と印刷状態が分かりやすい結果になりました。
ただ、よくよく考えると、あくまでヒートベッドに出力する最初のレイヤだけしかこの設定は影響ないはずなので、そこまで神経質になる必要はないかと。
- 遠すぎて1層目が定着しない
- 近すぎてシートを傷つけてしまう
ことだけ注意すれば良いかと思います。1層目で失敗する場合はこのキャリブレーションをちゃんとやれば、しっかり結果に反映できる設定ではあります。
ほかにもキャリブレーションの設定は沢山ありますが、困ってない限りは、慣れるまで触らないつもりです。