目的の電源電圧を取り出す回路のまとめ

電子回路を実際に作成してどんな動作をするのか試すにしても電源が必要になる。手持ちのアダプターを使えば、手軽に安定した直流電圧が手に入るが、目的のアダプターがいつもあるわけではない。また実験でいろんな入力から電圧がほしくなったときにいちいち即席のレギュレータ回路作るのも手間になってくる。昇圧、降圧ふくめて、調べた電源回路をまとめる。後々には安定化直流電源装置を作成したい。

身近な電子工作で使われそうなものに限って、大まかな分類としては以下になる

  • AC-DC変換
  • DC-DC変換 - リニアレギュレータによる降圧
  • スイッチング(チョッパー方式) - ステップ・ダウン(降圧)
  • ステップ・アップ(昇圧)

理論的な話はなしにして、サイトで多くの情報があり、お店で安価に入手できる方式だけに絞った。ほかにもいろいろあるが、たぶん工作するときには採用しないだろうと思って除外。

  • AC-DC変換
    主に家庭用の100VコンセントのACを入力として、トランスを使って降圧されたACをブリッジダイオードで整流化、コンデンサで平滑化するのが一般的。その後はDC-DC変換回路で目的の電圧を取り出す。
    AC-DC

    トランスはほとんどが入力100か110Vで、出力電圧の端子が1~4本ほど出ている。 出力電流や出力電圧が大きくなるにつれて値段がUPする傾向にある。

  • リニア(シリーズ)レギュレータによる降圧
    出力電圧が固定のものと可変とある。一般的に出力電圧+2~+3V程度のドロップアウト電圧があり、これよりも高い電圧を入力とする。入力電圧から出力電圧とドロップアウト電圧を引いた差分電圧となって消費される。低ノイズの安定した電圧が出力されて出力電流も大きいものがあるが、入力と出力の差が大きいとそれだけ損失する電力が大きくなる。また熱となって消費されるので、IC自体高温になるので、許容損失[W]を超える場合、ヒートシンクやファンなどで冷却する必要がある。低ドロップアウト(LDO)タイプのものもあるが、入力範囲が狭く、超えると普通のシリーズレギュレータと変わらなくなる。
    Linear-Regurator

    出力固定タイプ:東芝製TA78シリーズ
    出力可変タイプ:LM338T

  • ステップ・ダウン(降圧)レギュレータ
    チョッパー方式の回路を利用して、入力電圧をスイッチングICで刻んで降圧する。スイッチングICとしては、NJM2360が有名。ダイソーなどで販売されているUSBシガープラグもシガーソケット(12V)からUSB(5V)にスイッチングで降圧する回路になっている。この商品にはモトローラ製のMC34063が使用されているが、NJM2360と同じインタフェースになっている。
    step-down

    回路図のR1とR2の比率を調整すると、出力する電圧が変化する。
    応用例のドキュメントも公開されている。

  • ステップ・アップ(昇圧)レギュレータ
    同じくチョッパー方式の回路で、NJM2360をつかって昇圧できる。降圧のときと回路は異なるが、必要な部品はほとんど同じ。
    step-up

    ちなみにNJM2360の仕様は、入力電圧2.5~40V、最大出力電流は1.5A、出力電圧は1.25~40Vとなる。

    乾電池1本で昇圧してLED点灯や小型マイコンなど動作させたい場合、HT-7733AやHT-7750Aを使う例が多い。これもダイソーで販売されているLEDライトに良く使われている。(乾電池1本、2本タイプのものが該当する。3~4本タイプは昇圧してないので使われてない。)
    HT77xxA

HT-77xxAの仕様は、最低入力電圧0.7V、出力電圧3.3V、5.0V、出力電流200mAとなる。

少々電圧が下がった乾電池でも絞るとるように昇圧してくれるらしい。ただし、使用するコイルや出力側のコンデンサの質・容量で期待する結果がなかなか出力されず、いろいろな組み合わせで検証しているサイトがいくつか見られる。使用する前に実験が必要と思われる。

以上を踏まえると、以下になる。

シリーズレギュレータ低ノイズ、2A以上の大電流が取り出せるものもある。 入出力電圧の差が大きいと損失が大きく、発熱対策が必要。
スイッチングレギュレータ高効率で発熱が少ない、昇圧も可能。 ノイズが大きい、最大出力電流が小さい
もちろんこれらの欠点を克服したICは存在するが、気軽に入手できない、とても高価なので、いまのところ上記の理解でとめておく。