NJM2360ADで昇圧DCコンバータを作成する(1)

目的は、単3のeneloop3本(およそ3.6V)で、Raspberry Pi Zeroを動作させることを目的としている。
以前の調査では、5V300mA程度あればWifi+Bluetoothドングル付きで動作することがわかっている。

Raspberry Pi Zeroの消費電力

少し多めに見積もって、**5V、500mA(負荷抵抗10Ω)**の出力を目指す。前回は格安DCコンバータを購入してみて実力のほどを検証したところ、150円程度ですでに実現できてしまった。

格安DC-DCコンバータで昇圧して電池でRaspberry Pi Zeroを動かす

本調査の意味がちょっと薄れてしまったが、折角調査したので備忘録として残す。

参考資料

回路に関しては、以下のNJM2360アプリケーションノートの「3-4 NJM2360/60A 昇圧回路:大電力編」を参考にした。

NJM2360ADアプリケーションノート

以下が昇圧回路大電力回路になる。ポイントは外付けでトランジスタ用意し、電流をブーストしている。

目的の入出力条件に合わせて、各抵抗値などを計算する方程式が上記ノートにあるので、計算して値を参考にするのだが、かなりめんどくさい。以下のサイトにこの式をExcelで自動計算させるツールが公開されていたので、利用させていただきました。非常に素晴らしいです。

遠軽情報技術:NJM2360で昇圧回路を作成するための備忘録

検証用回路を作成する

インダクタとトランジスタがキーパーツになる。上記ツールで検証したところ、インダクタは太陽誘電製の47uH、1.2Aを使用した。(ほかの手持ちのインダクタでも確認したが、一番小さく一番結果が良かった)

上記ツールで検証したところ、トランジスタごとに抵抗値の値が大きく変動するので、抵抗部分はすべて可変抵抗として、オシロスコープで確認しながら最適値を探す方針とした。

汚い作品になったが、検証の目的のためなので良しとしている。

トランジスタの選定

とりあえず手持ちのトランジスタを手あたり次第使用してみた結果が以下になる。

大電流仕様の場合、タイミングキャパシタの容量を小さくしてスイッチング速度を早くする必要があり、今回は手持ちの220pFで実装した。注意点としては、スイッチング速度が速いので通常の整流ダイオードでは全く昇圧しないので、必ずショットキーバリアダイオードを使用する必要がある。

検証してみて、当初なんでもそこそこイケルのかと思いきや、使えそうなものと、全くダメなものの2つに分かれた。全くダメなものは、負荷10Ωを接続したときにほとんど昇圧しないものや4V程度までしか昇圧されなかった。

使えそうなトランジスタの特徴としては、トランジション周波数が高く、ton、tstg、tfの小さいものがそれなりの結果がでていることから、スイッチング速度についていけるトランジスタを選定する必要がありそう。このへんは詳しい人にとっては常識だったのか、アプリケーションノートでも触れられてない。

結局のところ、アプリケーションノートで使用されていた2SC3255PIC AVR 工作室さんで使用されていた2SC3709、たまたま手持ちにあった2SD826ぐらいが、候補になった。新しい発見は特になく、無知な自分の勉強になっただけという結果に。入手性が良くないので、量産するなら上記を踏まえて、秋月で入手できるものを探す必要がある。

インダクタに関しては、1A以上使用できる47uH以下であればよさそう。トロイダルコアの大きいものは結果が良くなかった。

とりあえずのところ、次回以降で、2SC3255で昇圧回路とモータードライブ回路を組んでみることにする。